東洋経済新報社が毎年公表する「住みよさランキング2025年版」が2025年6月16日に公開されました。全国812市区を対象に、安心度・利便度・快適度・富裕度の4カテゴリー20指標で住みよさを数値化するこのランキング。播磨エリアと神戸市の合計13市がどの位置にいるのか、2024年からの変動とあわせてまとめました。
結論から言うと、播磨エリアは「快適度」において近畿圏トップクラスの競争力を持っています。赤穂市は快適度で全国4位、明石市は21位など、温暖な瀬戸内海気候と安価な水道料金が評価を押し上げています。
なお、町は対象外のため、佐用町・上郡町・神河町・播磨町・太子町はランキングに含まれません。
住みよさランキングとは?
1993年から毎年公表されている東洋経済「住みよさランキング」は、住みよさを表す各指標の偏差値(平均50)を算出し、その平均値で全国の市区を順位付けするランキングです。全国812市区(792市+東京特別区20区)が対象で、町村は含まれません。
4カテゴリー・20指標の内訳は以下のとおりです(2025年版)。
| カテゴリー | 主な指標 |
|---|---|
| 安心度(6指標) | 人口当たり病院・診療所病床数、介護保険施設定員数、子ども医療費助成制度、犯罪件数、交通事故件数など |
| 利便度(4指標) | 人口当たり小売販売額、大規模小売店面積、飲食料品小売事業所数、飲食店数 |
| 快適度(5指標) | 転出入人口比率、水道料金、汚水処理人口普及率、気候(気温・日照・積雪)、都市公園面積 |
| 富裕度(5指標) | 財政力指数、法人市民税、納税者1人当たり所得、住宅延べ床面積、住宅地平均地価 |
※料金注意書き:本記事の順位データは2025年6月公表時点のものです。
播磨・神戸 全13市ランキング一覧(2025年版)
播磨エリア12市と神戸市の合計13市について、2025年版の順位をまとめました。出典は東洋経済『都市データパック2025年版』(三菱UFJ不動産販売「住まい1」経由)です。
| 兵庫県内順位 | 市名 | 全国順位(/812) | 安心度 | 利便度 | 快適度 | 富裕度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 県内2位 | 加東市 | 103位 | 380位 | 584位 | 26位 ◎ | 132位 |
| 県内3位 | 神戸市 | 146位 | 719位 | 80位 ◎ | 158位 | 98位 ◎ |
| 県内4位 | 小野市 | 167位 | 200位 ◎ | 687位 | 313位 | 204位 |
| 県内6位 | 赤穂市 | 217位 | 638位 | 399位 | 4位 ◎◎ | 284位 |
| 県内8位 | 明石市 | 256位 | 547位 | 484位 | 21位 ◎◎ | 310位 |
| 県内9位 | 加西市 | 280位 | 492位 | 568位 | 318位 | 108位 ◎ |
| 県内12位 | 三木市 | 409位 | 657位 | 477位 | 51位 ◎ | 330位 |
| 県内14位 | たつの市 | 475位 | 437位 | 783位 | 147位 | 362位 |
| 県内15位 | 姫路市 | 485位 | 744位 | 352位 | 360位 | 128位 ◎ |
| 県内16位 | 相生市 | 504位 | 396位 | 666位 | 257位 | 514位 |
| 県内17位 | 加古川市 | 523位 | 742位 | 457位 | 194位 | 234位 |
| 県内24位 | 高砂市 | 595位 | 765位 | 595位 | 115位 | 249位 |
| 県内26位 | 宍粟市 | 742位 | 357位 | 729位 | 702位 | 501位 |
◎◎…全国TOP5、◎…全国TOP200(全国上位25%以内)
参考として、兵庫県内1位は芦屋市(全国102位)で、加東市とわずか0.01ポイント差の僅差でした。近畿圏では神戸市が近畿4位、赤穂市が近畿17位にランクインしています。
播磨の最大の強み:快適度で近畿トップクラス
今回の結果で最も注目すべきは、播磨地域の「快適度」の突出した高さです。赤穂市は全国4位、明石市は21位、加東市26位、三木市51位と、13市中8市が全国200位以内に入っています。
快適度を構成する指標のうち、瀬戸内海式気候のもたらす温暖で日照時間の長い気候、水道料金の安さ(赤穂市は全国最安水準のひとつ)、都市公園面積の広さが高評価の主な要因です。大阪・京都といった大都市にはない「ゆとりある暮らし」の指標で、播磨は近畿圏屈指の強さを誇っています。
播磨共通の課題:安心度の低さ
一方、安心度は13市すべてが全国200位以下という課題を抱えています。小野市の200位が最高で、姫路市・加古川市・高砂市・神戸市は700位台に沈んでいます。
安心度は病院の病床数・医師数・介護施設定員数・子ども医療費助成・犯罪件数・交通事故件数などで算出されます。播磨地域では人口あたりの病床数・医師数の不足が影響している可能性が高いです。唯一の健闘が小野市(安心度200位)で、医療施設の充実ぶりが際立っています。
2024年からの順位変動:小野市が113位ジャンプ
2024年版と比較可能な8市の変動は以下のとおりです。
| 市名 | 2024年全国順位 | 2025年全国順位 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 小野市 | 280位 | 167位 | ↑113 大幅上昇 |
| 明石市 | 325位 | 256位 | ↑69 上昇 |
| 赤穂市 | 263位 | 217位 | ↑46 上昇 |
| 三木市 | 445位 | 409位 | ↑36 上昇 |
| 加東市 | 128位 | 103位 | ↑25 上昇 |
| 神戸市 | 142位 | 146位 | → ほぼ横ばい |
| 高砂市 | 587位 | 595位 | → ほぼ横ばい |
| 相生市 | 295位 | 504位 | ↓209 大幅下落 |
小野市は113位という大幅な上昇が目立ちます。2025年版から住宅・土地統計調査のデータが2018年から2023年に更新され、広い住居面積を持つ北播磨の市が有利に作用したと考えられます。明石市も69位上昇しており、人口増加率や子育て支援策の充実が快適度を牽引し続けています。
一方、相生市は209位の大幅下落が衝撃的です。2024年版では安心度が近畿上位にあったものの、2025年版では大幅に後退しました。人口減少や産業構造の変化が影響している可能性があります。
各市の注目ポイント
加東市:県内2位・快適度26位の隠れた優等生
播磨エリア最上位は加東市(全国103位)。快適度26位・富裕度132位と2カテゴリーで上位に入る総合力の高い市です。県内2位という実力は知名度のわりに認知されていませんが、住環境の良さは数字が証明しています。
赤穂市:快適度全国4位の「住みやすさNo.1エリア」
快適度全国4位・近畿2位は全国トップクラスの評価です。水道料金の安さ、温暖な気候、豊かな自然環境が三拍子揃っています。総合では217位ですが、「暮らしやすさ」という点では日本屈指のエリアです。
神戸市:利便度80位・富裕度98位で大都市の強み
播磨エリアからも日帰り・移住先として注目される神戸市は、利便度80位・富裕度98位と大都市らしい高評価。近畿版では4位にランクインしています。安心度が719位と低いのが唯一の課題です。
明石市:子育て支援で注目・快適度21位
近年の人口増加が続く明石市は快適度21位と高水準。子育て支援策が充実しており、若い世代の転入が続いています。総合256位から69位上昇と勢いのある市です。
姫路市:利便度352位・富裕度128位で商業集積の強み
播磨の中核都市・姫路市は総合485位と順位は高くありませんが、富裕度128位と製鉄・化学等の大企業集積による所得水準の高さが光ります。利便度は352位と商業施設の充実ぶりも播磨エリアでは上位です。
まとめ:播磨は「快適な暮らし」で全国に誇れるエリア
2025年版住みよさランキングから見えた播磨・神戸エリアの特徴をまとめます。
- 加東市が全国103位・兵庫県2位と播磨エリア最高位
- 赤穂市・明石市・加東市・三木市が快適度全国TOP60以内に入り、快適度は播磨の圧倒的な強み
- 安心度は全市が全国200位以下と播磨全体の共通課題(医療・介護の充実が今後の鍵)
- 小野市は113位の大幅上昇、相生市は209位の大幅下落と明暗が分かれた
- 神戸市は近畿4位で利便度・富裕度が播磨エリアを大きくリード
「住みよさランキング」は一つの指標にすぎませんが、「快適度」という観点では播磨エリアは全国的に見ても非常に高い水準にあります。移住・定住先の検討にあたって、参考にしてみてください。
※本記事の順位データは東洋経済『都市データパック2025年版』をもとに作成しています(2025年6月時点)。数値の詳細は東洋経済オンラインでご確認ください。

